スウェディッシュの歴史

スウェディッシュの歴史はパー・ヘンリック・リン(ペール・ヘンリック・リングとも言われる)が、
当時の国王に命令されて開発されたとされています。

約200年前。スウェーデンはロシアとの戦争の影響から、
国は貧しく、国民は疲れ果てていました。
そこで「子どもから大人まで全ての国民を健康に導くものを開発せよ」
と当時「スウェーデン体操」を開発したリンに命が下りました。
リンは、自己の体操(「医療体操」)の開発に努め、
その為に世界を飛び回りあらゆるマッサージや解剖学・生理学等も学んだ人物でした。
一節には中国の推拿も学んだともされています。
そうして作られたのがスウェーデン体操だったのですが、
そのスウェーデン体操が日本のラジオ体操にも影響を与えたと言うのは余談です。

リンはリウマチや通風などのいくつかの病に苦しんでいましたが、
ある時、それが自己が取り組んでいたフェンシングの運動が、
治療に優れていることを発見しました。
(スウェディッシュを行う上でも施術者の姿勢にフェンシングが取り入れられています)
やがて、リンはストックホルムで体操インストラクターの為の国立の研究所を設立。
スウェーデン体操を創始し、スウェーデン体操の父と呼ばれるようになりました。

さて、長らくスウェディッシュはリンが開発したとされてきましたが、
最近では、オランダの医師・ヨハン・ゲオルグ・メズガーが創始したのではとも言われます。
メズガーはリンが体系化した医療体操に影響を受け、
これをさらに発展させました。
この時、今のスウェディッシュのメインの手技ともいえる、

エフルラージュ…ロングストローク
ペトリサージュ…筋肉を捏ねる
フリクション…筋肉を捉えて行う円運動
タポティメント…いわゆるタッピング
バイブレーション…筋肉を振動させる

この5つをメズガーが開発しました。
メズガーは医師としてヨーロッパの貴族の間でも重宝され、
スウェーデンやオランダも含めて行き来するうちに、
スウェーデン式マッサージだけが名前を持ち、
リンの功績として語り継がれるようになったのかもしれません。

いずれにしても、リンがいなければメズガーも開発に至らなかった訳ですし、
どちらも人々を健康にしたい。運動機能を回復させて、癒したい。
と言う思いに変わりはありません。

スウェディッシュはこのような歴史の狭間で生まれ、
現在ある、大半のオイルトリートメントの手技の原型はスウェディッシュから来ていると
言われています。
その為、スウェディッシュはオイルトリートメントの源流と位置付けられています。